3年ねたろう

「三年ねたろう」~「だらける」主人公がめずらしい!ちょっと異質な昔話

◆三年ねたろうとは

3年ねたろう

昔話の「たろう」と言って挙がる作品と言ったら「ももたろう」「金太郎」「浦島たろう」ではないでしょうか。

しかし、「三年ねたろう」を忘れてはいけません。「三年ねたろう」はれっきとした日本昔話として存在するにもかかわらず、さほど日の目を浴びていないような気がします。ですが内容はよく、なかなか教育にもいいような気がします。

「三年ねたろう」の主人公・たろうはお母さんと暮らす少年です。貧しい二人は朝から晩まで農作業をしてもお腹いっぱいご飯を食べることはできません。

そんな中、お母さんが過労で倒れ帰らぬ人となってしまいました。たろうは一生懸命頑張って働いてもご飯をそこまで食べられるわけじゃないと思い、農作業をやめ寝ることにしました。

ずっと起きないたろうの元へ年貢を取り立てに役人が来ます。それでもお尻をけられたたろうは寝ながらにして屁で役人を追い返します。周りの人はたろうを凄いと崇め始め、寝ているたろうの元にご飯を持ってきます。

それでも起きずはや3年。ようやく起きたたろうは、今度は一生懸命働く決心をします。

日照りのひどい年のため田んぼに水をやることができないと大人たちが諦める中、子供たちの先頭に立って川を掘って田んぼまでつなげようというアイデアを出します。大人たちは子供が帰ってこないのを心配に見に行ったら、田んぼまでもう少しのところまで川を掘り進めていました。最後はみんなで協力し田んぼに川をつなげ水を供給することができるようになり、米をたくさん取れることができるようになりました。

◆日本昔話としては異質?

「三年ねたろう」は日本昔話としてはとても異質です。と言うのも日本昔話のパターンとしてよくあるのが、

「正直者は救われる」

と言ったタイプのものです。しかし、この「たろう」は3年間も仕事をさぼっています(笑)。日本昔話の王道パターンだと、お母さんが亡くなっても勤勉に働いて最終的に米をたくさんとることができるという感じでしょう。

しかしこの「だらける」というパターンは日本昔話で出てくる主人公としては初めてのパターンです。そのため逆に新鮮さが出てくると思います。

◆「三年ねたろう」が日本人におすすめな理由

私はこの絵本こそ、日本人が読むべき日本昔話だと思います。

と言うのも、この「三年ねたろう」はまず母が亡くなると言う辛い境遇に立たされています。そして米を作っても食べられないと言う自己判断のもとふて寝を始めてしまいます。そして最後は英気を養ったということで、さぼった分のリカバリーをアイデアと根性でやりのけてしまうというところです。

日本人は勤勉に勤勉を重ね、アイデアではなく地道に問題を対処するような教育が行われている気がします。しかしこの本では欧米気質なものの捉え方で昔話が描かれています。多様な価値観を養うために、ぜひお子さんに読んでもらいたい絵本の一つです。