もりのこや

「バムとケロ」シリーズ~世界レベルの仕掛け絵が凄すぎる絵本!

◆世界レベルの仕掛け絵

「バムとケロ」は島田ゆかさんが描いた作品です。カナダに在住しているからか日本人にはなかなかない発想の絵本を描かれています。グッズも売っていて、コアなファンからは大絶賛されている絵本です。

バムとケロは現在5作品出版されており、

 

「バムとケロのにちようび」

にちようび

 

「バムとケロのそらのたび」

もりのこや

 

「バムとケロののさむいあさ」

そらのたび

 

「バムとケロのおかいもの」

おかいもの

 

「バムとケロのもりのこや」

バムとケロ

があります。

犬のバムとカエルのケロというキャストの設定も独特で面白いのですが、やはりこの本の特徴と言ったらとにかくページのいたるところに細かい絵が描かれていて、何回読んでも新たな発見をすること間違いなし!という点ではないでしょうか。

例えば地面にうじゃうじゃいる蛇が1〜9の形を作っていたり、店番をしているハムスターの絵が次のこまではほっぺたが膨らんでいたりと絵の細かさが凄すぎます。

◆大人のほうがハマるかも!?

しかし本の内容と人気がまだまだ伴っていないような気もします。これを読んだら和むこと間違いなしで、我が家では子供以上に大人の方が、

「今回こういう発見ができた!」

「今のキャラクター、実はここに隠れてたんだけど気づいてた?」

など夫婦同士の会話も増えることでしょう(笑)。

人気のためか手に入れることが難しく、某有名中古本取扱店でもなかなか置いていないし、あったとしてもかなり高価です。それほど「手放したくない本」なのでしょう。子供が読む場合は新たな発見を探すため集中力を上げる本としても使えるかもしれませんね。

◆「バムとケロ」シリーズ、私のおすすめは・・・

「バムとケロ」シリーズは、どれも問題児のケロとしっかり者で親のような役割をするバムの関係が面白いです。ここまでやんちゃなケロを見たらどんな親でも怒鳴りつけてしまうものでしょうけど、バムは、

「やれやれ」

といった感じで暖かく見守ってくれています。

どの作品もものすごく面白いのですが、しいて私がどれが好きかと聞かれたら、「バムとケロのおかいもの」を推薦します。バムとケロがお買い物に行くのですが、買いたいものはたくさん。欲しい商品をカゴに入れたけど新たな商品が欲しくなったため、カゴに入った商品を諦めて戻すというシーンは子供の教育にもいいと思います。とにかく驚きと発見の連続で、面白い!の一言に尽きます。

◆愛嬌のあるキャラクターが面白い!

キャラクターの絵について紹介したいと思います。まず犬のバムとなのですが、ちょっとエロ目です(笑)。この表情でかなりのしっかり者のため、ギャップがあっていかします!

次にカエルのケロ。ケロは目が大きくてちょっと飛び出ていて、言ってみればブサカワかもしれません。ケロに関しては見た目通りのやんちゃっぷりでどうしようもないけど、かわいいと思わさざるをえないでしょう。

その他よくでてくるヘビはちょっとケロに似ているし、アヒルのカイちゃんはなかなかのポーカーフェイスです。どれも愛嬌のあるキャラでかわいいですよ!

バムとケロシリーズはどの作品も最初から最後まで面白いので、ぜひ手にしてみてください!

 

 

ところで、こういった絵本や、あるいはお父さんなら自分の仕事に関するビジネス書、専門書を出版できるというのを知っていますか。

こういうふうに費用を払って出したい本をだすことを、自費出版、あるいは企業出版と言います。

企業出版と自費出版のガイド http://www.syuppan-guide.com/

大手では幻冬舎ルネッサンス、文芸社などが有名です。ただし、料金は高め。こちらのページに目安の料金も書いてありますが、一冊の本を出すのにこんなにもかかるのですね。

ともかく自作の絵本を子供に読み聞かせいたい方や、マネージメント論などを出版したい人は、企業出版を問い合わせしてみてはいかが?

あいきゃっち

「メグとモグ」四部作~300回以上読み聞かせるほど子供がハマった

◆絵本「メグとモグ」とは

めぐもぐ

「メグとモグ」とは原作ヘレン・ニコル、絵ヤン・ピエンコフによって1970年代に描かれた絵本です。イギリスで大ヒットし1993年にイギリスのCITVで52話(1話5分)が放映されました。DVD化もされています。

絵本は「メグとモグ」、「メグむじんとうにいく」、「メグとふしぎなたまご」、「メグつきにいく」の四部作です。日本では偕成社が出版しているのですが本屋に問い合わせても絶版になっていて取り寄せすら不可能といわれる可能性が大です。ちなみに私は12店のブックオフに足を運びようやく四冊揃えることができました。

めぐもぐ

日本の絵本は「子供にいい話を」という傾向色が強い感じですがこの本では「子供にユーモアを」と言うのがテーマなのではないかと思いました。どの本もいい意味で力が抜けていて「えっそんな終わり?」と思うこと間違いなしです。「いい話」はお母さんが読み聞かせるほうがよく、お父さんはちょっと変わった絵本を読み聞かせるといい、なんていう説もありますが、「メグとモグ」シリーズもまさにふさわしい感じかもしれません。

◆色がはっきりしていて弱視におすすめ

私がこの本を手に取った理由は「弱視の子供でもこの絵の色は鮮明に映るのではないか」と思ったためです。「メグとモグ」シリーズはそのくらいどぎつい原色を使われているのですが、狙い通り子供は食いついています。

私はシリーズの一作目ではなく「メグむじんとうにいく」を一番最初に手にしたのですが、これが子供にどハマり!買った日に5回読まされるという偉業を達成してしまいました(笑)。「メグむじんとうにいく」に限ってはどう少なく見積もっても300回は読んだでしょう。その他のシリーズも濃い色を使われています。ちなみに「メグとモグ」は青基調。「メグむじんとうにいく」は紫基調。「メグとふしぎなたまご」は赤基調。「メグつきにいく」は黄色基調でかなりの目にバンと飛び込んできます。そして全てにおいて表紙、中表紙、始まりに本の題名を載せているので子供はこのパターンをすぐに覚えられるでしょう。

◆斬新すぎる展開が飽きない

お話の展開ですが、魔法は大抵失敗して、解決しなかったり他力本願だったりというところが斬新すぎておもしろいです。

ここでは「メグとモグ」、「メグむじんとうにいく」について紹介したいと思います。

★「メグとモグ」
メグとモグシリーズの一作目なのでメグとモグの簡単な紹介がなされます。魔女のメグが猫のモグと共に仲間の魔女とハローウィンパーティーをし、その際に魔法を使うのですが失敗してメグ以外の仲間がネズミになってしまうという話。しかもすごいのが終わり方で、モグがネズミになった仲間を追いかけメグが、

「次のハローウィンまでに元に戻す魔法を覚えておかなきゃね」

と言って終わります。日本じゃ考えられません(笑)。

★「メグむじんとうにいく」
「メグむじんとうにいく」は海で遊んでいたメグ達がメグの魔法により無人島に行ってしまうというお話。むじんとうでメグとモグ、一緒にいったフクロウのホーが力をあわせる話なのですが最後は通りかかったヘリコプターに乗せてもらい帰るというこれまた斬新な終わり方です。いずれも読み終わったら「なんだこれ」と言う感じですが何度読んでも飽きません。

そしてどの作品も最後は、

「またね」

で終わります。ここで子供も「あ、この本はこれで終わりなんだ」と言うふうになります。イギリスの本なので、

「おしまい」

ではなく、

「またね」

で終わるあたりちょっと洒落てますよね。優しい読後感が残ります。

新品では手に入りませんが、ぜひ図書館やブックオフで一度手にしてみていただきたい絵本です。

さるかにばなし

「さるかにばなし」~短いながら、読み物として相当質の高い作品。

◆さるかにばなしの内容

さるかにばなし

「さるかにばなし」もしくは「さるかに合戦」と聞いたらぱっと内容が思い浮かぶ人は多いのではないでしょうか。私の時代は国語の教科書に載っていたのかも知れません。

あらすじとしては、さるは柿の種しか見つけられず、かにはおにぎりを見つける。さるはおにぎりの方がいいのだが、かにには、

「柿の種は実をつければいっぱい柿を食べることができる」

と言って柿の種とおにぎりを交換する。

やがて柿は実をつけ食べられるようになるのだが、かににはその実を取ることができません。そのためかにはさるに実を取ってもらうのですが、さるは柿を独り占めしたいため食べられない堅い柿をかにめがけて投げてしまいます。

ここまではさるかにばなしもさるかに合戦も同じです。
分岐はここからで、柿を当てられたかにが怪我をするのか死んでしまうのか。

「さるかにばなし」はもちろん死にません。さらにかにの子供がかにの親と親しかった仲間を引き連れてさるに仕返しをします。

ここでも分岐があり、さるかにばなしは最後さるは反省してみんなと仲良く暮らしますが、合戦ではさるは死んでしまいます。

恐らく子供の目線で野蛮な話だからそうしてほしいと言う一部の声があったのでしょう。私は子供の頃何度も読んでもらいましたが、当時かにが死んだからといって残酷だとは思いませんでした。しかしこの作品の本質はそこにはないため、

「かにやさるを殺してしまうのは教育によくない」

「何でもかんでも過激な表現を削るのは過保護だ」

と言う意見は不毛だと思うのですが…あくまで私の見解ですが。

◆個性的なキャストの特徴を無意識に知る事ができる

さて、肝心の本質について掘り下げたいと思います。「さるかにばなし」のすごいところはキャストはさる、かに、かにの子供のがメインですが、その他にくり、はち、こんぶ、うす…と、

「なぜこのメンバーを集めた?」

という脈絡のない、かつさほどインパクトのないメンバーだということです(笑)。

そしてさるに復習するためみんなが一致団結するのですが、栗がぱちんと飛び、ハチが針で刺し、こんぶに滑って、うすが乗りかかる。それぞれの特徴を生かした攻撃で子供は無意識に彼らの特徴を知る事ができます。

さらにさるは木登りが得意、かにはハサミを使ってものを切る(実際切ることはあまりないし物語でも柿の芽に早く育たないとちょん切ると脅しをかけているだけですが)という場面でさるやかにはこういう特徴があるのかと自然と知る事ができるでしょう。

◆訴えかける道徳性

「さるかにばなし」はキャストについての素晴らしさの他に、道徳的観念から見ても優れている作品だといえます。

まずさるの柿の種とかにのおむすびを交換するシーンでは、目先のものより将来大成するものを選ぶ方がいいという教訓。さるがかにに柿を投げつけ怪我をさせるシーンは、悪いことをしたら自分にそれが跳ね返ってくるという教訓。かにの子供が泣いているとかにの友達がみんなで結託するシーンは、普段仲良くしていたら困った時に助けてくれると言う教訓をそれぞれ盛り込んでいます。

絵本で短い内容ながらも盛り込んでいることは多数あり、読み物として相当質の高い作品だと思いました。大人目線で深く読もうとするといろんな発見ができるため是非お子さんに読んであげてください。

12支

「12支のはなし」~干支について、親子一緒に楽しく学べる!

◆12の動物に役を与える

「12支のはなし」は干支ができる際の話です。まず神様が正月の朝に自分の元に来た12の動物に毎年持ち回りでその年の神様にすると約束するところから始まります。

12支

ここで絵本だなと思うのは12の動物に毎年神の役を与えるのですが、序列はなく横一線だというところです。しかしどの動物もより良い順位を目指すのでレースは臨場感があって見ものです。

さらに、

「十二支を言える?」

と尋ねた時、

「ねー、うし、とら、うー、たつ、みー」

まではみんな言えますが、

「うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い」

と続けられない人は結構います。この本を読んだら全部言えるのは当たり前、さらにストーリーがあるのでなぜそうなったか、どの動物とどの動物が仲がいい、もしくは仲が悪いというのが頭に残ります。もちろん諸説様々であったり、後付けであったりするのでしょうけど、このレースは中々面白いです。レースの結果に着目するよりも、なぜその順位になったのかということに着目したらより楽しむ事ができます。

◆動物達の駆け引きが面白い

この「12支のはなし」のレースの面白さは前半と後半では大きく異なります。前半はより良い順位を目指すのに対し、後半は順位を狙うと言うよりは12番までに入ると言う意識が高いように感じられます。

まずゴールしたネズミは、足が遅いが誰よりも早く出発する牛の背中に乗ってゴール前でさすと言う策略家。牛も足が遅いから努力でカバーと言う手法をとります。うさぎは3番目だったが寅が物凄い勢いで来たのでびびって隠れたため4番手になります。辰は飛ぶことができるため余裕をかましていましたが、最終的にはへびをぎりぎりで抜かし何とか5番手になり、6番手は蛇になります。

◆後半の雑な順位のつけ方も面白い(笑)

12支のはなしは前半より雑な順位のつけ方の後半の方が私は好きです(笑)。後半は馬と羊が同着するものの仲がいいため、羊は馬に7番手を譲ります。

面白いのはここからです。

猿、酉、犬の所では酉と犬のは差がないものの、仲の悪い猿と犬を隣同士にしたらいかんと言うことで間に酉を入れると言ったまさかの感情論ありのレースに!

圧巻だったのは、猪がゴールした際突進するように駆け込んできました。もっと速い順位が取れたのではないかと思うのですが、まさかの、

「ゴールを違う山だと思ったので遅くなった」

とのこと。猪のポテンシャルの高さが伺え、猪年の人も、

「それなら12番でも納得(笑)。」

と微笑ましく思うでしょう!

(ちなみに私は猪年ですが遅くて最下位と言うより気分良かったです)

「12支のはなし」を子供と一緒に読んで、12支を深く知ってみてはいかがでしょうか。

はらぺこあおむし

「はらぺこあおむし」~世界的ベストセラーを記録した超名作絵本!

◆子供目線で面白い!

「はらぺこあおむし」の良さは多々ありますが、ざっくり言って一番いいところと言ったら子供目線で描かれているところではないでしょうか。

はらぺこあおむし

絵も見やすい色を使用してはらぺこあおむしが食べるものは果物や甘いものばかり。毎日何かしらを食べるのですが、徐々に食べるものが増えていくというところがシンプルで分かりやすいです。

食べるものが毎日一種類なのですが食べる個数が増えていくので数字の学習にもぴったりです。そして土曜日には子供が好きそうなアイスやキャンディーやケーキが出てきて話に食いつくこと間違いなしです。

「次は何食べるのかな?」

とその先が気になるので、ページをめくる手もどんどん早くなっていきます。

さらにこの本のいいところは何度でも読めるということです。テンポがいい絵本なので子供は一回ではなく何回も、

「読んで」

と言ってくることがあると思います。(実際私も子供に読むとき一回この本を出したら五回は読まされます(笑)。しかし親としても何回読んでも分量が多いわけでもないし、特にストーリーがあるわけでもないので飽きないため何度でも読めます。

◆食べたものの真ん中がくり取られている

「はらぺこあおむし」がベストセラーになった所以は上記で挙げたこともあるのでしょうけど、一番の理由はあおむしが食べたものの絵の真ん中がくりぬかれているところではないかと思います。

大人からしてみたら、ただ食べたものの真ん中を切り取っただけじゃんと思うかもしれません。コロンブスの卵的発想で見たらそこまですごいアイディアじゃないと感じますが、いざ自分でどうにか工夫しろと言ったらなかなかこの発想は出てこないと思います。ただ真ん中をちょっとくり抜く。このシンプルさが子供からしてみたら面白いと思うのかもしれません(大人だったら変に絵を抉らせて、例えばりんごだったらりんごの芯を表現するといった手法を取ってしまうのではないでしょうか)

◆すぱっと終わらせるところが魅力的

さらに「はらぺこあおむし」がここまでブレイクした理由は、このシンプルな終わり方だと思います。青虫は太っちょになってすぐにちょうちょになります。ここには子供にこう感じてほしいといった訴えかけるものはなくいきなりすぱっと終わらせています。ここには何も感情はわきません。強いて言うと、

「あ~、ちょうちょになったんだ」

と言うくらいでしょう。そのため読後に変な感想を持つことなく、

「あっ、もう一回読も」

と言う風になるのだと思います。日本ではなかなかお目にかかれないパターンの絵本なので、オススメです。

だるまさんシリーズ

「だるまさんシリーズ」~仕事と子育てに疲れた大人も癒される!(笑)。

「だるまさんシリーズ」の著者はかがくいひろしさんです。ブロンズ新社から発行されています。初版が2008年1月であるにもかかわらず、2012年3月には158刷を記録するものすごいベストセラーとなっています。とりたてて内容があるわけではないのですが、とにかくインパクトが強く、読んでいるお父さんお母さんの癒しになる本になること間違いなしです。

だるまさんシリーズ

★「だるまさんが」

が
と

だるまさんシリーズの一作目は「だるまさんが」です。ページを開くとだるまさんが四股を踏むような形で左右に揺れます。それが、

「だ・る・ま・さ・ん・が」

のそれぞれ一文字づつで左・右・左・右と揺れるので、思わず、

「かわいい」

と言ってしまうことでしょう。

お父さん、お母さんが子供に絵本を読むというのはもちろん子育ての一環ですが、この絵本を読んだら子育てと言うことは一旦忘れることができ、和みます。

そして、だるまさんがどうするのかと思いきやページをめくると、

「ぷっ」

(見開きの左ページには本当に「ぷっ」としか書いておらず、右のページにはオナラをするだるまさんがいます。ちなみに「ぷっ」は最初に書かれているわけではありませんが一番インパクトがあると思ったため記載しました。)

そしてまた、

「だ・る・ま・さ・ん・が・」

と同じように左右に揺れます。

ここで見落としてはいけないのが揺れるだるまさんの表情です。ページごとに表情が違うのです。ここでもつい、

「かわいい」

と言ってしまうこと間違いなしです!

★「だるまさんの」

の

だるまさんシリーズ二作目は「だるまさんの」です。こちらも、

「だ・る・ま・さ・ん・の」

のそれぞれ一文字ずつで左右に揺れます。

「が」と違うところは揺れるだるまさんが何か身につけているところです。例えばメガネを付けていたら次のページでは「め」(だるまさんの目ということ)でだるまの目だけが大きく描かれています。そしてまた、

「だ・る・ま・さ・ん・の」

と始まります。二個めからは身につけているアイテムで次のページに何が書かれているかは想像つくので一種のネタバレのようになってしまうのですが、一筋縄では行かず、

「あれっ、こう来たか!」

(絵が特殊すぎて予想不可能)と思ってしまうことでしょう。二作目になってもこの著者には裏をかかれます。

★「だるまさんと」

と

だるまさんシリーズ三作目は「だるまさんと」です。今度は趣向がかわりだるまと果物が出てきます。また、

「だ・る・ま・さ・ん・と」

となるかなと思いきや、ここでも裏を書かれて今度は、

「い・ち・ご・さ・ん・と」

となり、次のページではいちごとお辞儀をし合う絵が描かれています。

最初から最後まで手玉に取られさらにクスッとさせてくれるだるまさんシリーズは必見です。子育てに疲れたお父さんお母さん、ぜひ手にとってみてください。ボリュームの割には高いかなと思いましたが、何度も読むので元はとれます!

おむすびころりん

「おむすびころりん」~日本人の精神が凝縮された名作絵本

◆ネズミにおむすびをあげる

「おむすびころりん」はそこまで裕福ではないおじいさんとおばあさんが登場します。

おむすびころりん

おそらくここがすでにポイントとなっていて、裕福でもないのにもかかわらずおじいさんがねずみにおむすびを三つもあげるというところが共感を得られるところだと思っています。

そしておじいさんは下心もなくおむすびをネズミにあげます(一応おむすびをあげたら歌が聞こえるという見返りはありますがあまりにも割に合わないところから下心はないと言っても過言ではないでしょうか。)

一個目は偶然落としてしまったおむすびが穴に落ちてしまい、もう二個は故意に落とします。もっと歌声を聴きたいおじいさんが穴に向かって叫ぶと穴に落ちてしまいます。ここでもネズミに会いたいというよりは、叫んだら偶然に落ちてしまったと言うところがその前の流れとかけられています。

◆お礼をもらう

穴に入ると、歌が好きなネズミたちがおじいさんを歓迎しています。おじいさんは歌が聴きたい、ネズミたちは歌を聴いてほしいと言う利害が一致するわけです。

その他に予期しないご馳走がはごばれてきます。楽しいひと時を過ごしたおじいさんはネズミたちから大きいつづらと小さいつづらどちらがいいかと聞かれ、選択した小さいつづらを選びます。

おじいさんが小さなつづらを選んだ理由は、自分の体は大きくないからそれに見合った小さなつづらを選んだわけですが、ここでは、

「謙虚に自分の見合ったものを選んだほうが得をする」

と言うことを教訓にしている気がします。

大きいつづらに何が入っていたかは分かりませんが、小さなつづらには小判が入っていて、結果的にそれは近所に配れるほどの大金だったため、こちらを選んで正解だったことを示唆しています。

◆隣のおじいさんが出現する

「おむすびころりん」の面白さはここからで、隣のおじいさんの登場です。

小判をもらったおじいさんを見た隣のおじいさんも、ネズミたちから小判をもらおうとおむすびを一つ持って穴に向かいます。特に苦労もせず穴を発見し、下心丸出しで穴におむすびを落とします。

歌声が聞こえてきたので自分から穴の中に飛び込み、見事ネズミたちの元へと現れます。ネズミたちはそれでもおじいさんをおもてなしします。おじいさんはつづらがあることを発見すると、

「ご馳走はどうでもいい」

といきなり猫の鳴き真似をしてネズミを追っ払うことにします。ネズミたちは慌てて逃げたため、あたりの明かりは消え、おじいさんはそこに一人取り残されてしまいます。そんな状況でつづらを持ち出せるわけもなく、命からがら穴の中から這い出ることができました。

ここでは、

「欲張ったら何も得られない」

という教訓と、

「何かを得たいのであれば、じっと待つこと」

ということを言っているのではないでしょうか。

「おむすびころりん」では対比表現を学べるうえ教育にもよく、日本人の道徳観念とバッチリ一致している絵本のため、親としてはぜひ子供に読ませたい本として挙げられるでしょう。

3年ねたろう

「三年ねたろう」~「だらける」主人公がめずらしい!ちょっと異質な昔話

◆三年ねたろうとは

3年ねたろう

昔話の「たろう」と言って挙がる作品と言ったら「ももたろう」「金太郎」「浦島たろう」ではないでしょうか。

しかし、「三年ねたろう」を忘れてはいけません。「三年ねたろう」はれっきとした日本昔話として存在するにもかかわらず、さほど日の目を浴びていないような気がします。ですが内容はよく、なかなか教育にもいいような気がします。

「三年ねたろう」の主人公・たろうはお母さんと暮らす少年です。貧しい二人は朝から晩まで農作業をしてもお腹いっぱいご飯を食べることはできません。

そんな中、お母さんが過労で倒れ帰らぬ人となってしまいました。たろうは一生懸命頑張って働いてもご飯をそこまで食べられるわけじゃないと思い、農作業をやめ寝ることにしました。

ずっと起きないたろうの元へ年貢を取り立てに役人が来ます。それでもお尻をけられたたろうは寝ながらにして屁で役人を追い返します。周りの人はたろうを凄いと崇め始め、寝ているたろうの元にご飯を持ってきます。

それでも起きずはや3年。ようやく起きたたろうは、今度は一生懸命働く決心をします。

日照りのひどい年のため田んぼに水をやることができないと大人たちが諦める中、子供たちの先頭に立って川を掘って田んぼまでつなげようというアイデアを出します。大人たちは子供が帰ってこないのを心配に見に行ったら、田んぼまでもう少しのところまで川を掘り進めていました。最後はみんなで協力し田んぼに川をつなげ水を供給することができるようになり、米をたくさん取れることができるようになりました。

◆日本昔話としては異質?

「三年ねたろう」は日本昔話としてはとても異質です。と言うのも日本昔話のパターンとしてよくあるのが、

「正直者は救われる」

と言ったタイプのものです。しかし、この「たろう」は3年間も仕事をさぼっています(笑)。日本昔話の王道パターンだと、お母さんが亡くなっても勤勉に働いて最終的に米をたくさんとることができるという感じでしょう。

しかしこの「だらける」というパターンは日本昔話で出てくる主人公としては初めてのパターンです。そのため逆に新鮮さが出てくると思います。

◆「三年ねたろう」が日本人におすすめな理由

私はこの絵本こそ、日本人が読むべき日本昔話だと思います。

と言うのも、この「三年ねたろう」はまず母が亡くなると言う辛い境遇に立たされています。そして米を作っても食べられないと言う自己判断のもとふて寝を始めてしまいます。そして最後は英気を養ったということで、さぼった分のリカバリーをアイデアと根性でやりのけてしまうというところです。

日本人は勤勉に勤勉を重ね、アイデアではなく地道に問題を対処するような教育が行われている気がします。しかしこの本では欧米気質なものの捉え方で昔話が描かれています。多様な価値観を養うために、ぜひお子さんに読んでもらいたい絵本の一つです。

ライオン

「ライオンとネズミ」~小さな力を子供に伝えたい

◆内容はいたってシンプル

「ライオンとネズミ」のストーリーはいたってシンプルです。強いライオンが弱いネズミを捕まえて食べようとするが、ネズミの必死な命乞いに根負けして逃がしてやります。逃がされたネズミは後日縄に引っかかって動けなくなってしまったライオンを助けてあげる…と言ったありがちと言えばありがちの展開です。

しかしよく紐解くと、ライオンとネズミの特徴が実によく描かれていて、子供がこの本を読んでもらったら、

「ライオンってこういう動物なんだ」

とか、

「ネズミってこういう特徴があるんだ」

とストーリー込みで覚えられるので、きっと「ライオンとネズミ」の話は忘れても、両者のイメージは記憶の片隅に残ることでしょう。

話も長くないので、何かの合間にさらっと読んでしまうのもよし、3回くらい続けて読んでも苦じゃないところがいいです。登場してくるのもライオンとネズミしかいないため、子供もストーリーに入り込めると思いますよ!

◆ライオンのプライドと「ありがとう」という言葉

ライオン

「ライオンとネズミ」は人間が抱いている、

「ライオンはこういうプライドが高い動物なんだよ」

と言うライオンのイメージを全面に表現しています。

昼寝をしていたライオンのお腹の上を走るネズミを捕まえて食べようとするのですが、ネズミから、

「助けてくれたらきっと恩返しをする」

と言われます。ライオンがネズミに助けられることは絶対にないと言いつつも、最終的には、

「お腹が空いていないから今回だけは許してやる」

と言い逃がしてやります。ライオンのパートでとてもいいのは、最終的にネズミに助けられるのですが、恥ずかしそうにしながらも、

「ありがとう」

とちゃんとお礼をします。ライオンとネズミの力関係では圧倒的にライオンの方が上ですが、助けてもらったらちゃんとお礼をいうという教訓があり、実にいい絵本だと思います。

◆ネズミの気さくさ

「ライオンとネズミ」を教育面で捉えるとすると、ネズミのパートの方がユーモアがあって面白いかもしれません。遊んでいたのがライオンのお腹の上という間抜けなのかなんなのか(笑)。そして生きることを諦めないネズミはライオンに自分を助けてくれたらきっとご恩返ししますからと言います。

結局その場で逃がされることになったネズミ。後日縄にかかって動けなくなっているライオンを発見します。ここでは歯で縄をちぎりライオンを助けます。

ネズミの何かをかじる習性の描写も良かったし、ネズミが約束を守ってライオンを助けるというストーリーもいいです。受けた恩は忘れてはいけないという話なので、是非お子さんに読んであげてください!

おおかみ

「おおかみと7ひきのこやぎ」~残酷な表現がもはや貴重!?

◆残酷な表現方法について

最近、日本昔話では過激な表現が控えられています。

例えば「ももたろう」の元のストーリーではキジが鬼の目を攻撃するのに対し、改訂版では肘を攻撃します。

「さるかに合戦」は「さるかにばなし」と題名まで変わり、内容も「さるかに合戦」ではさるが投げた柿に当たったお父さんのかにが死ぬのに対して、「さるかにばなし」は怪我をするだけです。(そして後で元気になります)また、さるの方も復讐にあって死ぬのに対し、懲らしめられて反省しみんなと仲良くなるという結末を迎えます。

 

どちらがいいかという話はここではしませんが、よりマイルドになって「子供に優しい話」に変えられているのは事実です。

ところが「おおかみと7ひきのこやぎ」では最後にオオカミが井戸に落ちます。しかも腹を切り裂かれて石をお腹に入れられ縫い合わされるというかなり残虐な方法です。最近では貴重ですよね。こういう話を読むと、子供に幅広い知識をつけさせたいのであれば、世界の昔話を読んであげたほうがいいのかなと思うこの頃です。

◆おおかみと7ひきのこやぎのバトル

「おおかみと7ひきのこやぎ」を何気なく読んでいると、

「オオカミ怖いな」

とか、

「子ヤギ負けるな」

とか思うのかもしれませんが、よくよく読んでみるとオオカミと子ヤギのバトルは結構高レベルです。

おおかみ

というのも、子ヤギたちはお母さんヤギの言いつけを守ってオオカミが来た時にドアを開けないようにします。そこでオオカミはお母さんヤギになりすまそうとするのですが、最初は、

「お母さんよ」

と名乗ります。ここでは子ヤギは冷静にお母さんはもっと高くて綺麗な声だと言って戸を開けません。

次にオオカミは声を変え、

「お母さんよ」と言います。一瞬、本物のお母さんが帰ってきたと思った子ヤギたちですが、さらに冷静になりオオカミの手を見て、黒いからお母さんの手ではないと気づきます。

最後にオオカミはチョークで手を白く塗り、

「お母さんよ」

と言って子ヤギたちを騙します。この三度にわたるバトルは、子供に無意識ながら訴えかけるものがあるのではないでしょうか。

◆結末はよく考えられている

さらにこの「おおかみと7ひきのこやぎ」の結末を見ても、なかなか教訓じみたものがあります。

まず6匹の子ヤギを食べられたお母さんヤギはオオカミを見つけます。寝ていたためお腹を割き子供を救出します。

これで終わってもハッピーエンドなのでしょうけど、その先のこと(オオカミを生かしていたらまた同じ目にあうためここでオオカミを始末してしまおう)まで考えられているとこ%